「自分たちでランドセルを作るまで」ことゆく社 インタビュー第2回

浜松に住む2人のママが、これまでなかった新しいタイプのランドセルを作りました。『ことゆくraccu』と名付けられたそのランドセルは、子を想う親たちの共感を呼び、広く注目を集めています。そんな『ことゆくraccu』の生みの親であり、『合同会社ことゆく社』の共同代表でもある、影山恵さん、和久田麻衣さんにお話を伺いました。

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第1回 ことゆく社が生まれる前の話①「ありそうでないもの」を見つける仕事


【第2回】ことゆく社が生まれる前の話②

自分で探して、自分で作る。

では、続いて和久田麻衣さんのこれまでの経歴について教えてください。

和久田:大学を出てすぐはアパレルのカフェで働いていたんですが、やめて地元(磐田市)に戻り、浜松市内にある某雑貨メーカーの直営店で働き始めました。そこが恵さん(影山恵さん)が企画販売で働いていた会社だったんですが。

もともと2人は同じ会社で働いていたんですね!

和久田:はい。私は店舗での販売がメインでしたが、自分で担当を持ち、その仕入れから予算決めまで任されている仕事でした。飲食の仕事も変わらず好きだったので、雑貨店で働いた後、夜は袋井市のカフェでも働いていました。

配属は違いますが、当時から影山さんのことは知っていましたか?

久田:はい。本社と店舗で行き来もありましたので、お互い顔見知りの存在でした。さっき(第1回で)話があったマザーズバッグやトートバッグがどんどん売れていく様子を、私は売場でダイレクトに見ていましたし。

和久田さんは何年くらいお店で働いていたんですか?

和久田:6年ほどです。結婚して出産するタイミングで仕事をやめました。やっぱり子どもがいると急な発熱などで店頭に立てない可能性もあったので…。産後は子育てに専念し、子どもが1歳になったときに別の会社で勤め始めました。

そこはどんな会社ですか?

和久田:ネット販売をメインにしたベビーグッズの会社です。私は商品の販売管理や発送まで幅広く手伝わせてもらっていました。そのうち、私自身が1歳の子を持つ母であることから「企画をやってみない?」と声をかけてもらって。


どんな商品の企画を?

和久田:もともと子どもの服はほとんど自分で手作りしていたので、「自分の子どもにほしいもの」を企画し、商品化していきました。

企画とは、デザインや仕様を考えることがメインですか?

和久田:いいえ。生地やパーツのセレクト、縫製会社まで自分で探して提案する会社だったので。大変な部分もありましたが、勉強になりました。

思い入れのある商品はありますか?

和久田:ママ向けのリュックサックです。当時はリュックタイプのマザーズバッグが全然なくて。ネットショップで検索しても、100位より下にやっと1万7000円くらいのママ向けリュックが1つあるだけ…というレベルでした。

どうしてリュックタイプのものが欲しいと?

和久田:子どもが歩き出すようになったら両手がフリーになるリュックの方がいい!と実体験で思っていたからです。そこで企画して商品化させたんですが、最初はそれほど売れないまま、私は2人目を妊娠して産休に入りました。

リュックタイプの需要はなかったんでしょうか?

和久田:それが、私が産休中にだんだんと販売数が伸びて。復帰したときには、そのリュックが大手ネットショップで数週連続1位!という状況になっていました。

すごい、、、! 今ではリュック姿のママをよく見かけますよね。

和久田:はい。数年前は全然なかったものが、今は類似商品もたくさん出回るようになって。町に出て、世のお母さんたちのリュック姿が増えてきたと感じたときは、感慨深くなりました。


  --------------------続く-------------------- 

 ●ことゆく社についてはコチラ
 https://www.cotoyukuraccu.jp/

(写真・文/島津順子)

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